2015-08-07 冬の日五首 ・ 冬の日 冬の日の空輝けりはるけくも 煙一条昇りてぞ消ゆ 新しき冬日満ちたるグラスにも 澄める記憶の沈みてぞあり 記憶には夜汽車の中の母の匂ひ 抱かれ眠る何処とは知らず 冬の夜の布団の中で触れし母 その冷えし足を温めんとし 冬の夜の銀河に聞こゆたまゆらの 声そ降り敷く幻のごと