pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

星月夜に

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あと何年生きれば満足かな?

そうだな、死ぬまで生きたいのだよ。




星月 皎潔 にして明河 天に在り


古人は童にそう聞いたのだ

我ら等しく生を享け等しく死を賜りなんの憤りがあろうか

儚き生
されば永遠の一瞬に生は在り
辛苦の生
ならば辛苦の嗚咽の中にも歓喜の生在り


カマキリの雄の死骸が土埃を被って横たわっていた
秋の移ろいに己の完結の生を殉じた

煙突の煙となって君は冬の空に消えた
一瞬に生き永遠にその辛苦の生を殉じた


等しく我ら同じ


薄氷の下に紅葉が閉ざされた
その下に鯉が眠りについていた

悲傷の声は落ち葉に染みわたり
悲涙は世界を包み込んで落ち

孤独とは
知る者との交歓を得て孤独を一層深めながら

豊穣の秋は過ぎ去り
再生の冬を迎え

絶えざる循環の渦に迎え入れられたのである


    星月  皎潔 にして 明河 天に在り

等しく
同じ

肌を刺す冷気と心を切り裂く星月の明かりのなかに
私は百合の香りとともにあなたの影を認めた


いつまでも待つしかないだ
あなたの影が
その日が私を蔽うまで

 

死ぬときはどんな風になれば満足かな?

そうだな、花の風に吹かれれば満足だ。









出典 

「星月 皎潔 にして明河 天に在り」
               秋聲賦  欧陽脩

http://wp1.fuchu.jp/~sei-dou/rekishi-tenji/rkishi-tenji/t0420abe-masakiyo-aki/t0420abe-maakiyo-aki.htm


曲  木村充揮 -「 Che Sara」

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