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pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

吹き溜まり人情の街

 

この西成には既にスパワールドという巨大で立派な温泉施設があり、今度は星野リゾートが進出するらしい。

吹き溜まり人情の街は衰退の運命にある。


 1泊1700円の「ホテル」は正しく言うならば簡易宿泊施設の意味合いが大きい。1泊500円というのも見つけたが、さすがに入る勇気は無い。
 「生保の相談、遠慮なく!」と張り紙を出しているホテルが大半である。労務者は高齢化し、若者の姿は少ないが、それでも皆早朝から手配師の兄さんたちに日雇い仕事をもらい働きに出る。ここでは、働ける者が生保ではプライドを失い、冷笑されるのである。また、生保となると故郷の親親族に知られる、或いは、自分を追う者にバレる。何らかの事情を抱え、この吹き溜まりに流れて居つく。皆が我が身一つを寄せ合い、この吹き溜まりに生きる。

 ホテル近くの茶店でモーニングを摂ろうと歩いていると、自転車に跨った兄さんが私の脇を抜けて前の信号で止まった。対面に白人の女の子2人が立っている。信号が青に変わり、その兄さんは女の子らに何か声をかけたが通じずに女の子たちは微笑みながら去っていった。私も交差点を渡り、茶店に入ろうとすると、その兄さんが自転車を止めて、扉を開けようとしていたが、彼は私に気付くと、「モーニング300円です!」と笑いながら私を先に通した。狭い店内で2人掛の席に座ると彼は隣席に座った。店の女の子は注文も聞かずに「モーニング2つ!」と調理場に伝える。私は昨日も来たがその兄さんはいわゆる常連だ。

「今朝な、四時過ぎに並んでたらな、2回目で夜勤の仕事を貰ったで!」嬉しそうに女の子に話しかけた。「良かったなあ」女の子は愛想が無い。
背中合わせに座った彼は私にも話しかけて来た。

「いやぁ、2回目で夜勤貰った。俺の人柄やな」
キャップを被った横顔は一見若そうに見えるが40は超えている。

「俺は人当たりがええしな、好かれてる」

「そうか、じゃあ、その仕事をまた貰えるな」
「いや、わからん、2月3月は仕事も、多かったが、今は少ない」
「しかし、好かれてそうだし、信用あればその仕事は続けられんじゃないか?」
「ところがな、おれは吉本の一発芸といわれてんねん。仕事は能力やから、俺みたいなんは一回で素人やとバレちゃう、まあ、これで家賃払える」
「良かったな」
「ほんまやで、家賃払えるんでホッとした」
「近頃の手配師は若いのが多くなってん、余り熱心に仕事せんからみな困っとる。パチンコばかりやっとる。上野でもそうやった。」

 二人連れのおばちゃんが店に入ってくると、彼は自分の席に呼んで、こっち座りいな、と言うと、皿の残りを口に詰め込んで席を譲り、そそくさと出ていった。

 店を出ると1200円ホテルの玄関前にスリッパを履いた痩せた爺さんがいた。

「なんや!その格好、チンドン屋や!」

 道を掃いていたおばちゃんが罵声を浴びせた。
私が見て、それほどのひどい格好ではないのだが、爺さんは、「そうかな、これでか」とニコニコしているだけである。

チンドン屋や!」繰り返し叫んでいた。

さて、私から見て、その爺さんはそう酷い格好ではない。となると……私の感覚もチンドン屋かな😵

 

写真
場所は知る人ぞ知る曽根崎(^_^)v


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蕎麦屋瓢亭、ここの蕎麦はつゆ無しで美味い。60年の伝統あり。夕霧蕎麦と銘打つだけのことはある。大阪で美味い蕎麦を食べられるとは驚いた。うどんだけという偏見は消えた。


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シュウマイ屋、「阿み彦」ここは焼シュウマイ専門。ワンタンスープセットで、シュウマイをスープに漬けて食べるのも美味い!70年の伝統あり。主は映画への造詣も深く、銀髪の渋い二枚目である。

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