pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

第15回句会


      兼題「橘」

 

老い忘る花橘の月野かな


たちばなの散る里めぐる夢旅路

 

自分が出した兼題に今回は苦労しました。
何せ橘自体が周囲にありません。
参加された皆さんも大変ご苦労されたようで申し訳無い事でした。

上のニ句、全て想像世界の描写です。

 

古来、橘は           

古今集139

五月まつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする         (よみ人しらず)

 

のように追憶を喚起する花橘であり、永遠を言祝ぎまた恋人思慕想連を詠んでいたのです。

俳句としては、その和歌の力を借りて作るしか思いつきませんでした。

ニ句目は、散る里、すなわち源氏物語の花散里から拝借しました。

 


想像の世界で古典に遊んだ訳ですが、句会では説明によってご納得頂きました。

 

『田道間守の歌』を思い出されて歌をご披露くださったのは宗匠でした^_^

 


各人のニ句だけでは時間が余り、


さみだれ萩こぼるるまでの道歩く


を出しました。
萩の表現として夏萩の呼称ですが、私自身、趣味人の畏友の方からご教示頂いたものです。

さみだれ、と、花盛りの夏萩のイメージとの結び付けが面白いと感じました。


次回兼題は自由題、「夏」の句ということで、もう橘のような難しいのは懲り懲りと言うことです^_^

 

 


 ・動画 汽車というものの存在感はやはり別格ですね^^。

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