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兼題「橘」
老い忘る花橘の月野かな
たちばなの散る里めぐる夢旅路
自分が出した兼題に今回は苦労しました。
何せ橘自体が周囲にありません。
参加された皆さんも大変ご苦労されたようで申し訳無い事でした。
上のニ句、全て想像世界の描写です。
古来、橘は
古今集139
五月まつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする (よみ人しらず)
のように追憶を喚起する花橘であり、永遠を言祝ぎまた恋人思慕想連を詠んでいたのです。
俳句としては、その和歌の力を借りて作るしか思いつきませんでした。
ニ句目は、散る里、すなわち源氏物語の花散里から拝借しました。
想像の世界で古典に遊んだ訳ですが、句会では説明によってご納得頂きました。
『田道間守の歌』を思い出されて歌をご披露くださったのは宗匠でした^_^
各人のニ句だけでは時間が余り、
さみだれ萩こぼるるまでの道歩く
を出しました。
萩の表現として夏萩の呼称ですが、私自身、趣味人の畏友の方からご教示頂いたものです。
さみだれ、と、花盛りの夏萩のイメージとの結び付けが面白いと感じました。
次回兼題は自由題、「夏」の句ということで、もう橘のような難しいのは懲り懲りと言うことです^_^
・動画 汽車というものの存在感はやはり別格ですね^^。