pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

7才の記憶と廃墟について

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7才の記憶と廃墟について

                  


     今はただ崩れ墜ちよと東海の
            冥き瞑目の黄昏の底

 

 

         それが大袈裟なものでなく

         ヒトが去ってしまった家
         主を失った犬小屋
         用を終えた巣

         蜘蛛の巣も
         ただの巣なら


         美しい廃墟だ


      熱い風

      真夏の炎天に焼かれて燃え上がる廃墟
     
  モノトーンの強烈なコントラストが燃え上がり


         真っ青な空に浮かぶ廃墟

 
      笑いすぎて思わず涙が落ちる
      そんな哀しい風景の中に
      いま
      廃墟は音もなく佇む


      あまりの静けさに空き缶を蹴飛ばし      
      冥いみずたまりに空の深さを畏怖した
      懐かしい記憶


      そんな記憶さえ炎天に燃え上がり
      消滅する廃墟を写し取った
      鏡像さえ

           熱い風に揺られながら
           繁茂する卉草に沈み
           咽返る卉草の海に
           
           いま
           廃墟となる


      我が7歳の満ち足りた感傷と
      日焼けする肌の幼い興奮と
      欠け堕ちてゆく

              忘れ果ててゆく
              廃墟の記憶

 

              いまふたたびの
              夏を待ち
              帰らざる風景のなかに

 

     夏を待ちわれら哀しみの影を踏む

 

 

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以前のものをわずかに改稿しました。
瞑目とは死です。


明日より帰省。一足早くお彼岸に備えます。もちろん一人で。私が動けるうちは。

 

写真 故郷