pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

黒猫クロと『バタリオン』と『ある船頭の話』

いつものことながら、まことに脈絡のない掲題で申し訳ない。

クロが近頃よく顔をだすようになった。朝夕である。
玄関先でじっとしていることが多いが、庭先の椅子から居間を覗き込んでいることもある。

餌を与えると<申し訳なさそうに>遠慮がちに食べるのである。我が家の猫のモン太郎もハチも既にクロを仲間として迎え入れているが、ノラの仁義かどうか、彼らが傍に居れば食べるのを彼らに譲って余り物を食べるのである。

今朝も玄関先に座っていた。
もう何年になるのか・・・5~6年は過ぎたか。来始めた頃は元気な動きだったが、めっきいり衰えてきた様子で、動きは緩慢となり毛並みも荒れてきた。

今朝は誰もいなかったので餌をのんびり食べた。
食も細くなった。
食べ終えるとそのまま体を伸ばして座っている。
撫でても時折こちらを見上げる程度だ。
玄関の扉を開けたままにしてるとクロもそのまま座っていたが、閉めると、ゆっくりどこかに消えていった。

そういえば、大阪のアホな市長が猫への餌やり禁止条例云々騒ぎだしたな。人気取りなら見境ない。フクイチ汚染水を大阪湾に持ってこいとも・・・見境ない・・・「科学的に」なんて言葉を滑らせたが科学的知見など持つはずもない。それにしてもノラの消えた大阪か・・・想像したくない。アホな都知事もやり出しかねない。

 


『バタリオン』はギャオの無料で視聴した。

 

バタリオン・・・オバタリアンでは・・・ない!近いイメージは多少あるが・・・

 

私も無知なので「婦人決死隊Women's Battalion of Death」なる存在も全く知らなかった。

1917年第一次世界大戦末期、すなわちロシア革命前夜のロシア軍の厭戦気分蔓延のなか、士気を鼓舞する名目で女性軍を作っていたのだが、志願兵に応募した女性たちの多さにも驚いた。どこの国でも「愛国心」を政治は利用する。
しかしこの「死の女性部隊」・・・ギリシャ神話から女性が戦う話があるが、ドイツ帝国軍に突撃していく様は男顔負けで厭戦気分蔓延でドイツ軍兵士と酒盛りしていたロシア軍も戦闘に加わる。

ジェンダーによる男女差別という問題がある。
近年、自衛隊でさえ、さえ、というのは勿論ジェンダーによる男女差別を助長しあまつさえ改憲で女性は家で子を産み育て夫や家族に奉仕すべきであるという自民党改憲案を以前観たからだが、男尊女卑の権化である日本の「軍部」が女性も兵士に入れている。こんなご都合ジェンダー利用に女性は怒らない不思議。

尤も、「ウッセエ~~!てめえ!」と叫ぶ女性が増えているから実質ジェンダーは崩壊しつつあるのかも知れない。オバタリアンの進化系である。

 


失礼、脱線!
「兵士委員会」なるものが当時のロシア軍に置かれていたという事も無知で知らなかった。戦闘決定権まで握っていた。厭戦気分蔓延で戦闘を放棄していたのだから立派。すでにボリシェヴィキの影響が前線の軍にまで及んでいたわけだ。

もちろん、その革命運動の独裁権力主義が人間の本質を露わにしていくが、そんな「委員会」が機能していたことは、そこだけ切り取れば民主主義の基本である。こんな「兵士委員会」が世界中の軍にあれば戦闘などバカバカしくってやってられるか!となり平和な世界となるから民主主義は形骸化されるのが上策と、軍産複合体などは考えるわけだ。

 

『ある船頭の話』はオダギリジョーが監督。
間違いなく凝り性な男だからどんな作品かと楽しみにしていた。
おそらく明治前後の福島の阿賀野川や只見川周辺のロケだが、映像がなんとも美しい。日本の映画はまず映像が安っぽいのが殆どだから、映像監督が外人とあって納得した。

川岸にそびえる山々に夕日を受けた川霧が立ち上って行く様、川面の煌めきやそんな霧の流れる姿・・・
柄本明はこの役のために存在してきたのかと思えるほどにぴったりと違和感なく船頭を演じた。 川島鈴遥という新人は川の中で泳ぐすがたが美しい。魚の精かと思わせるほどの姿で、助けに飛び込んだ水中の柄本明の前で微笑む笑顔は逸品である。

人間の根源的なエゴと狂気いう本質を描くとの触れ込みは柄本明の演技でかなり成功していると感じた。

しかし、何といってもその自然描写の美しさがあっての人間の姿だ。船頭が無用の存在となる橋の建設。便利さと引き換えの人間味は現代も同じ。瀬戸内海など橋だらけ。フェリーはなんとか生き延びているが・・・ナナオサカキが日本にはもう原生林は殆どないと諦めていたが・・・

しかし、川もいいね。
只見川は川霧の名所でもある。


がりがりっと居間の網戸をひっかく音がした。
モン太郎が入れて頂戴と騒いでいる。
隣にチビが夕飯の時間だという顔で座っている。

 

 

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