pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

歌う女  『灼熱の魂』

 

 
 

「監督からのメッセージ」
http://shakunetsu-movie.com/pc/message/


映画館で観てそのまま放っておいた作品です。
昨夜、レンタルで改めて鑑賞して漸くこの作品の感想めいたものが疼きました。

レバノン、中東の悲劇を背景に、女性、母性というものをテーマにした作品と思います。

歴史の悲劇と個人の悲劇の重複する計り知れぬ重さ。

罪なき罪。その悲劇。

赦す・・・ということが悲劇の連鎖を断ち切る唯一の方法なのでしょうか。そうなのでしょう。

それは男性に可能でしょうか。

異常な悲劇を背負った母親が、まさしく懸命に「赦し」を獲得する事、そのプロセスを今回漸くわかったように思えます。

それが中東のみならず世界各地での戦争惨禍の埋めようもない傷を癒し救う唯一の方法であることが暗示されます。

そして、それは、果たして男性に可能なのかという事、これは未だに整理がつきません。


次に、


「歌う女」・・・それが彼女に付けられた渾名。

歌うことによって中東の刑務所での過酷を耐え続ける主人公です。

歌というものの存在、もし歌を彼女が持っていなければ彼女はどうなっていただろうか。

どのような歌かは原語なのでわかりませんが恐らく子守唄のごときものでしょうか。

全日記で小夜の中山さんが「世界の共通言語」という表現を出されましたが、歌はまさにその一つです。

歌の発生・・・という興味の尽きないテーマもありますが、おそらく世界中の母性が「歌」を所有しているでしょう。

母性と歌

そのようなテーマにも興味が尽きません。