2015-08-07 春 ・ 春風の山を吹き抜けあくる夜は 別れに手向く花ぞ咲きたり 新社会人の皆さんへ 巴琴 末男が4月入社に伴い社員寮への引っ越しをする。 この男は中学で登校拒否を起こした。 酷い教員集団と担任だった。 こんな所に入れたのは親の責任である。 上の兄が既に高校中退でダブリンに留学していたので彼は高校をNZに選んだ。 随分カネがあるなとよく言われるが借金である。 お陰で私の退職金は軽く返済に消えた。 登校拒否であるので放任していた結果、英語力ゼロだったがよく頑張った。 ホームステイ先が気に入らないと自分で3度転居したり、現地のワルガキと喧嘩したり、結構自由に自分を発揮した。 親としては、喧嘩ができる息子になったのが喜ばしい。 現地のデカイ連中に一人跳びかかって行ったのだから血は争えない。 学校は注意処分で済ませた。 原因はワルガキ共のアジア人蔑視にあったのだった。 NZは亡き親父が世界で一番差別のない国だと語っていたが少しづつ変化している。 学校側もそこに敏感だった。 大学もNZ首都を選んだ。 大学ではひたすら授業に追われたようだった。 「遊びに行ったろうか?」 「遊んでる暇ないんだよ、こっちは」 あっさり拒否された。 昨夏、一時帰国し入社試験を受け、時機宜しく内定した。 山の上の当地は風がやや強い。 梅の花は石畳を埋めた。 沈丁花の花と交じり合った香りが漸くの春を告げている。 新社会人諸君 頑張れ。 負けるな。 ハチも応援しているぞ。 ・見送るハチ