pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

遠ざかる日々


「巴琴さん、相談なんだけど、良かったらの話」

 こう云う切り出しは、実はコワい。行きつけのカフェのママさんは「永遠の女子高生」と言われる強者である。

「私の義理の妹がね、Kという施設のグループホームで夜勤のパートしててね、その施設全体が人手不足。誰が居ないかしらと、相談されたのよ。それで、巴琴さんがブラブラしてるから訊いてみると言ってあげたの」

 ブラブラって、失礼な。
まあしかし、そう見えるか。事実だが。
その逆だ!
ブラはつけてない!ラブラブだぞ!
こんなギャグはつうじない相手である。

「週一回の夜勤。夜8時45分から朝9時半までだつて。夜10時くらいには暇になるってよ。朝の5時まで寝てられる。で、入居者に朝食を出してあげる」


 その施設は実は私が現役時代に数年間養護学校にいた時によく顔を出していた作業所が母体であった。よく頑張っている作業所で、幅広い障害を背負った子どもらを受け入れて、優しく熱心な活動をしていた。養護学校の内実より遥かに上の活動ぶりで、わたしは養護学校を潰してその分の莫大な予算を施設に回すべき、そうなれば日本の福祉は格段に向上すると確信していた事を思い出していた。


こんな話が今きたのも何かの縁であろうと、私は話に乗った。この一年、都内のグループホームで懲りていたはずだが、K施設はどうなっているかという関心も生まれた。

入居者4人、ストマを装着した人と知的に重い人がいるが、基本的に自律的生活を営める。他の2人は全く自律できている。朝食は夜10時には用意出来た。調理などしたことが無い!と面接で伝えたので若いホーム責任者は緊張気味に、「シチューの材料はありますが、如何ですか?」と言っていた。何?シチュー?まかせとけ。ついくちばしって後悔したが、やってみたら、なんだこんな簡単な料理!アハハ!
 こんなものを作って偉そうにされていた以前勤めたホームのオンナどもに腹がたった。

作り終われば寝る。
あさ5時に起きて、サテライトから来る男の子に食べさせる。

「美味しいです!」

ほう、左様であるか。当然だが、と内心思っている。かの人たちはお世辞は言わないのである。生まれて初めて作ったシチューである。まあ文句は言わせない。

その後からの7時に4人に食べさせて、あとは簡単な掃除をして勤務終了である。

こりゃ楽だ、かつ、全員可愛い。更に夜勤は1人で、以前のホームのような相方の異常に悩まされず過ごせる。寝れる。

一回一万円だが、まあいいや。この善人無垢な人らと過ごせる日が一晩有るのも生活のアクセントになる。下流老人としては月4万は良い小遣いである。まあ自分の小遣いくらいは稼がんとね。

そんな感じで、明日4回目の勤務となる。
これは続きそうかな。

 そう、その間からのカフェで2回目のジャズライブがあった。ヴォーカルが可愛い女の子。声も可愛い。声量も良い。ところが、彼女はライブ途中に自分が乳癌であることを告げ、客に検診を勧めていた。彼女は看護士が本業だったが、病気のため非常勤となったという。目下放射線治療らしい。そういわれて気付いたが、椅子に座ったまま歌っていたのだ。よく来てくれたね。

 
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世上では役者の妻の癌が異常なくらい、いや、はっきり言えば、常軌を逸した過熱報道が続いていた。

そのネタが国家の一大事より上なのだ。
異常な国である。

異常序でに言えば、安倍晋三夫婦はまだ外遊中である。

閉会中審議という国家の一大事の主役が、強引な国会閉会と共に国外に去って行った。

昔、「敵前逃亡」という言葉があった。軍法会議では間違いなくジュウサツ刑である。

ご本人らは戦争の出来る国を目指したい訳だから、戦争となれば彼らはジュウサツものなのである。


何とも、憲政始まって以来の断トツの恥知らず夫婦である。

 


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写真、昨夜の満月。異常な人間共などどこ吹く風の美しい満月でした。

 

追伸、私は勝手に関東の梅雨明け宣言を出しました。誰も聞いては呉れませんが。