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昨日、東京駅近くのコットンクラブで久しぶりにジャズライブを楽しんだ。長男と娘の招待である。珍事が晦日に起きたわけだ。
フレディ・コールという、ピアノ弾き語りの名手だという。86歳、腰もやや曲がり、椅子に座り歌う。歩くのもしんどそうだ。
しかし、バラード風に歌い出せば美しい滑らかな美声で「絹の声」と讃えられているのも頷ける。声量も十分で伸びが素晴らしい。
I Will Wait For You
『シェルブールの雨傘』の名曲だが、彼はオープニングに披露した。甘く「絹」の如き声でしっとりと静かに歌う。年齢を感じさせないロマンチックが示された。凄いですね。その点は昔、キューバのシエナビスタを聴いて以来である。
今年の締めとしての、このライブは忘れないだろう。フレディ・コールはその歳で遥々日本の年末に、覚束ない足取りで来てくれた。十分な名声も富も得ている彼はファンの為の仕事で来日したのだろう。励みでもあろう。
I Will Wait For You……彼のスピリットでもあろう。
夜更けの東京駅周辺はイルミネーションで輝き、大震災は既に過去として葬られた。そんな中で、忙しく働く人たちが、新春の恵みを享けることを願いながら帰宅した。
皆様には今年一年大変お世話になりました。
新春のご多幸を心より祈念申し上げます。