2019-05-21 歌誌投稿歌 歌誌【ヤママユ】53号への投稿歌です。 御笑覧下さい。 1 柿の実の熟すをま近に見てをればつくつく法師のひとり鳴きけり 2 聴こえしや銀河の音の囁く夜雨だれしげき空の上より 3 降りしきる秋霖の夜のひとり寝に暗渠の音のはげしきをきく 4 雨やみて霧に沈みぬ林にはかっこうの声とほくこだます 5 残照の消失点に突き進む信濃追分晩秋の鉄路 6 優しきは耐えがたきあり堀辰雄そは死と戯れしほどに強きか 7 我ともに老いてゆきけり秋の朝眠る白猫息やすらけし 8 白釉の円き素肌のひんやりと花の熱きも湛えてありなむ 9 はなよ舞へ命ふるへしさまのごと風のごとくや花の白馬は 10 求めきて花うるはしみ頂にましろき雲の湧きいづるかな 11 まさきくや花にやすらふ日のもとに春待つ梅の芽の動きつつ 12 春の花風に乗りてぞ我が宿に夢のひととき舞ひ散らんかな 13 尋ぬればきみ振り向きてわれにいふ吾亦紅とは高原のひと 14 木々の葉の降りしきるごと告げたしや六道を迷ふ影のわれゆゑ 15 子殺しのさきはふ国のまなこらは闇に隠れぬ冬ごもりをり なお、以上のなかで番号の2、9、11、12の4首は担当の方により削除とされました。削除のご説明もなにもありませんので、お読みいただいた方々のご指摘に期待するよりほかにありません。 本来なら、削除理由を教えていただくのが後進の立場です。実はそれが一番重要と理解しています。