pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

歌誌投稿歌

歌誌【ヤママユ】53号への投稿歌です。

御笑覧下さい。

 

 

1 柿の実の熟すをま近に見てをればつくつく法師のひとり鳴きけり 

 

2 聴こえしや銀河の音の囁く夜雨だれしげき空の上より

 

3 降りしきる秋霖の夜のひとり寝に暗渠の音のはげしきをきく

 

4 雨やみて霧に沈みぬ林にはかっこうの声とほくこだます

 

5 残照の消失点に突き進む信濃追分晩秋の鉄路

 

6 優しきは耐えがたきあり堀辰雄そは死と戯れしほどに強きか

 

7 我ともに老いてゆきけり秋の朝眠る白猫息やすらけし

 

8 白釉の円き素肌のひんやりと花の熱きも湛えてありなむ

 

9 はなよ舞へ命ふるへしさまのごと風のごとくや花の白馬は

 

10 求めきて花うるはしみ頂にましろき雲の湧きいづるかな

 

11 まさきくや花にやすらふ日のもとに春待つ梅の芽の動きつつ

 

12 春の花風に乗りてぞ我が宿に夢のひととき舞ひ散らんかな

 

13 尋ぬればきみ振り向きてわれにいふ吾亦紅とは高原のひと

 

14 木々の葉の降りしきるごと告げたしや六道を迷ふ影のわれゆゑ 

 

15 子殺しのさきはふ国のまなこらは闇に隠れぬ冬ごもりをり

 

 

なお、以上のなかで番号の2、9、11、12の4首は担当の方により削除とされました。削除のご説明もなにもありませんので、お読みいただいた方々のご指摘に期待するよりほかにありません。

本来なら、削除理由を教えていただくのが後進の立場です。実はそれが一番重要と理解しています。