昨日句会
参加者6名欠席2名とやや寂しい状況ですが、私と元大学教授で盛り上げますので、官房長官の「全く問題ない」という駄法螺と違い、和気藹々ですね。女性陣と宗匠は極め付きの真面目さですから、私のようなバカを言うのも必要です。実は私は性格的に躁鬱傾向があり、集団ではバカボンのパパとなり、家では没念達磨さんのごとく…ウソ…
まぁ大学教授も乗ってくれます。と、バカを弁解しておきます。目標は真面目さの権化の宗匠をゲラゲラ笑わせる事ですが、道遠し。まだまだ、「ふふふ」くらいで止まっています。
兼題 月
自由詠
1 辞世の句なるやもしれぬ月の庭 宗匠
2 群れて舞ひ群れて沈める稲雀 宗匠
3 月明かり鬼籍の人と酒を飲む 宗匠
辞世の句は一瞬座がシーンと張り詰めた空気が漂う。皆さん言葉が出ない。
「まぁ兼題の月を入れただけですよ。もういつ死んでもおかしくないしね。辞世の句もそろそろ用意しようかと。死ぬ間際に詠めるならいいが」
「辞世の句を前もって用意して置くのはありですよね」
「そう、皆さんも辞世の句を作らないとね」
これ、ニコニコ顔となった宗匠の冗談なんですが冗談になってない…ますますシーン。
カフェママ司会が慌てて次の句を出した。
「これ、リフレインだから、余り良くないのですが…」
「いや、リフレインのリズムが動きを鮮やかにしてますよね。稲雀が群れ飛ぶ秋の情景がリアルでドラマチックではないですか」
月明かりの句、実は一句で良いのだが、宗匠は気が乗って作ってらっしゃった。
これは彼には何度目かの、亡き妻を詠んだ句であり、皆さんも慣れて来ました。
「この鬼籍の人って奥さんでしょ!」女性陣から笑顔が飛ぶ。
「いいわよねえ〜何年経っても忘れられないで」
「いや、家内とは限らない…」とか、また下手な言い訳をする宗匠は初心な顔になる。
「普通去るもの日々に疎しと言いますでしょ!」女性陣が盛り上がってきました。
「いや、時が過ぎるほど逆に鮮明に浮かんできますものね!」
宗匠、タジタジでしたが嬉しそうでした。
4 不意を突く木犀の香や裏通り 女性句
「いいですねえ〜、裏通りというのも良い。表道や庭ではね」
「これは夜の情景ですね」
「いや、昼間なんですが…」
「なるほど、視覚より嗅覚が活きる句ですからね、夜としましょう」と、やや強引。更に夜となれば艶っぽさも生まれます。
「○○さん、入会した頃と比べて格段に上手くなりましたね!」と、私は褒めたつもりでしたが、誇り高い彼女は微妙に顔を引つらせて…アブナイ…
5 黒き雲月を隠してなほ光り 女性句
情景がやや浮かべにくい方もいらっしゃるので、実景である話をしました。雲の端が僅かな瞬間ですが見事に光を放つ事があります。それは美しい。
6 月光を頼りに登るすすき道 男性句
彼の団地内から山に入る細道があります。古道のようです。私も何度か歩いた道てすが、夜は経験がない。
「夜道怖くないですか!1人で!」
「イノシシやら鹿やら出ますよ!」
「怖いと感じた事はない。楽しいですよ」
私は彼が1人、月夜にどんな思いでその山の細道を歩いているのか気になっていた。彼の趣味の一つに墓地散策があった。
「墓にはね、その家族の姿が現れていてね、そんな事も興味深くてね。有名人の墓なんかも見ますよ」
最後に拙句
6 蓮の花散りて重陽向かへけり 巴琴
7 家々にかなしいほどの月明かり 巴琴
6は気象変動のせいか蓮に限らず、そう、彼岸花も咲くのがかなり遅れている。重陽は菊。夏と秋の季語の季節が重なっていた。また、重陽という言葉から私はすぐ杜甫の「登高」を思い出すのである。
7はやはり中の句が問題となった。
しかし私にはほの表現以外はどうしても思い浮かばなかった。でもって、お知恵拝借となったが、代わりの表現は出なかった。と言う事でこの句の再検討という事で次回への宿題となった。どなたか、お知恵下さい!
次回、24日。
兼題は「紅葉」
自由詠
前々回初めて顔を出された女性が、参加したいという事でしたが、手術となり前回欠席。今回は出たいと言う事でしたが、当日体調不良で欠席。30分座っているのも苦痛とか…座ったり立ち上がったりでは申し訳ないとの言伝でしたが、そんな事気にしなければ良いのに。
その彼女はご自分の句だけ友人に託して示されました。それで、彼女の句から「芙蓉(酔芙蓉も可」と「告げる」の2語を入れて作る事としました。実は難しい試みですが私としてはせっかく提出された句を活かして、激励の気分です。
つまり次回は3句です。