2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧
・ 霜菊のつつましやかに色揃へ 霜菊は冬の野菊だ。もちろん旧暦の冬、いまは晩秋の候。立派に仕立てられた見事な菊の姿に対し野菊は田畑の畦や路傍に咲く。道行く人の一瞥はあっても、大きな景色の点景の一つである。しかし、その野菊も束にして見るとその…
・ 残照の消失点に進むなる信濃追分晩秋の鉄路 人なくも温かき満つ文学館信濃追分木枯らしも風 和漢洋書架に整然と並びぬるその書庫ながむ堀の眼差し 追分の枯れ葉の家を住処とし余命に臨む枯れ枝の身体 優しきは替えがたきあり堀辰雄そは死と戯るほどに強き…
・ ほんとうに久しぶりに軽井沢に来た。 16日に書類の整理をしていたら、夏、娘が置いて行ったそのパンフが出てきたのだ。行こうと思いつつ些事にかまけたままに忘れていた。7月から12月5日まで。丁度、来月までの間は休養期間である。10日間の勤務の給与も…
・ 今月1日より常勤として勤務した会社を14日付で退職した。常勤であり、有期雇用であり、時間給併設であり、祝日も勤務で通勤時間2時間弱。小さな教室に入れば仕事らしい仕事は無かった。オマケに求人案内での給与も実際は違った。当初はそれでもやる気はあ…
・ その時車窓から大銀杏の落葉が風に舞う姿を見た。それは入院していた母の病室の大きな窓の前の銀杏吹雪に同じだった。 私は銀杏の黄金色の波を見た。澄んだ青い波を見た。 波は音調のように留まることなくこの世を瞬時に伝播し現れては彼方へと去りその往…