pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

2015-01-01から1年間の記事一覧

星月夜に

・ あと何年生きれば満足かな?そうだな、死ぬまで生きたいのだよ。 星月 皎潔 にして明河 天に在り古人は童にそう聞いたのだ我ら等しく生を享け等しく死を賜りなんの憤りがあろうか儚き生されば永遠の一瞬に生は在り辛苦の生ならば辛苦の嗚咽の中にも歓喜の…

「涙するまで、生きる」

・「涙するまで、生きよ」 www.youtube.com 「涙するまで、生きよ」とカミュは言った。絶望の何たるか希望の何たるか人生と世界の関わりは何たるか・・・「フランス人」教師ダリュ(ヴィゴ・モーテンセン)が子供達相手にアルジェリアの村の学校で黒板にアト…

晩秋

・先日、給与明細を渡されたが、契約ではひと月間試用期間で、一回(一晩)11,000円となっていた。明細票では、勤務開始からの2回分はノーカウント、つまりタダ働き扱いとなっていた。一瞬頭に血が上ったが、よく見るとその後の分は正規手当となっているので…

秋の晴れの日に 五首

み吉野の山の深みの桜紅葉 降りしく中に面影よぎらん 百済寺夕日燃え立つ山の端の いまはの光母に照り返し 晩秋の銀杏輝く窓辺より 光溢るる思ひ流れし 厳島海に抱かれやすらけき なが心をばあきの標と 夢やゆめ錦のあきの夢を見ん 夢と見なせば秋ぞさやかに…

秋の雨の日に

.秋の雨肌寒き日のやさしきはながほほえみのスパティフィラム木陰の下でやわらかな雨を浴び微かにやおん身よじらせ笑みこぼしひそやかなるや言葉を伝えむああその言葉あめのしずくに似たり遠き日の月の輝く凪たる海の光やさしく我を包みし思い出にまた明日の…

「薬禍の歳月-サリドマイド事件50年」

. 「薬禍の歳月-サリドマイド事件50年」 http://www.at-douga.com/?p=14248 10月1日、早稲田大学ジャーナリズム研究所主催の上記上演会とトークが、大学構内の小野記念講堂で午後6時より行われた。その映像は第41回放送文化基金賞(今年度)テレビドキュメン…

月さま、雨が・・・

.「月さま、雨が・・・」「春雨じゃ、濡れて行こう」ガリガリゴチゴチ武市瑞山はどうでもいいが月形半平太は良い^^。学生の頃、田無駅から学寮に帰ろうと雨の降りしきる田舎道を歩いていたら、途中で「よろしければどうぞ」と鈴の音のような声とともに後ろ…

蓮の花 三番花

・昨日、蓮の三番目の花が開きました。泥中汚辱の現世に咲く穢れ無き花。お盆に合わせて咲いてくれるのか、お盆が蓮の花に合わせて行われるようになったのか。古来仏教に篤く帰依した人々がこの蓮の花を仏花と見立てたのは当然のように思えます。以 前、中将…

. 暑気いや増す夕暮れ近く、一服しに玄関を出て軒下に腰を下ろした。 蚊取り線香の煙が先に上がっているので邪魔な蚊の音は聞こえない。 庭先も家の前の公園にも蝉時雨が湧き上がっている。 気のせいかも知れぬが、今年は例年にも増して蝉が多い。蝉が小便し…

『写生帖』 辻まこと

・ 辻まことの『写生帖』という作品の冒頭にこの詩が掲げられている。作者、陶晶孫、「歴程」同人。 昭和26年ころの「歴程」戦後第一回の詩画展のおりに、色紙にしたためられて出品されたという。 台風従井裡 颱風は井の中より起き 起 洪水従沙漠 洪水は砂漠…

満月愛隣

・ 1 満月が森を明るく照らし 余りに明るいので星林も隠れてしまった。 真夏の熱波も和らいで 蝉も静かに木々に息を吐き 時折ニャン! 茂みの下から白いハチが此方に駆け寄ってくる。 2 満月 Blue Moon Blue Moon 見事な満月の夜 おまえもその光を浴びてい…

大阪西成の夏

・ 先日、所用で大阪に行った。 宿は今年の4月来、西成と決めている。 地下鉄御堂筋線の「動物園前駅」一帯の、あいりん地区と呼ばれているこの界隈には天下有数の安宿が並んでいるが、その中でも高級な宿をとった。 1泊2000円以下である。 更に安い1泊500円…

花と人間

蓮の花の二番花の蕾が大きく膨らんできた。 今春初めて我が家に来たばかりなのだから そんなに頑張って花をつけなくてよいよ。 一番花より更に高くその細すぎる茎を伸ばし。 重き蕾を青空に届けたいのか。 そうか、お前も精一杯に生きたいのだな。 少しの強…

暑いのだ!

. 散水の夏の夕暮れむせ返る草と土との甘き風吹き 濃紺の空を映してやま桃の実も熟したりその甘き陰 その余り暑きに耐えず伸びのびて床の上にて甘き夢みん 写真、我が家の令嬢、ナナとミーの伸びきった姿。 あられもない姿で失礼~_~; ハチとモン太郎はさすが…

夏空

・ . 夏空に向かふ我あり幼き日プールの底の深みあおぎ見 . 十方の三世奥なり罪ごとき 塵よりかろし蓮の花咲く . 歩みきて夏空の下なが影の草叢に消ゆ昨日の如く .

蓮の花

・ ようやく咲いてくれた。 4月に奥武蔵の街道沿いの小さな喫茶店のママさんから頂戴した株を鯉太郎の居る睡蓮鉢に植えた。田んぼの土もお骨折り頂いて株の寝床とした。 花の寺巡りをしていたこの4年、この季節ではやはり蓮の花が美しく境内を彩り羨ましく…

父の思い出 3

・ 敗戦後、郷里で結婚し、竹細工などで稼いでいた父は戦後の物資不足で飛ぶように売れたと喜んでいたが、実は銀行の宝くじで2度も大当たりをとったらしい。 ツイている者はどうもツキが続くらしい。 その御蔭でツキは父が使い果たし、此方はツキに見放され…

父の思い出 2

・ 父が旧制中学中退にも拘らず英語が出来たという点、ご質問を受けたので補足するが、それは写真に出した祖父の厳命だったと聞いている。 時局が三国同盟締結、国際連盟脱退と日本全体が神懸かり軍部の国粋主義となり、西洋文化排斥、英語フランス語などへ…

父の思い出 1

. 今日、父の4回目の命日が巡って来た。91歳の自分の誕生日に脳溢血で亡くなった。 生前自分は120歳まで生きると公言していた割に、あっけない最期だった。しかし、50才で糖尿病を患い、入院した割にはよく持ちこたえたと思う。 糖尿病発症後は食事療法、運…

・ 行く年や猫うずくまる膝の上 漱石 漱石のことだから猫の俳句があるだろうと調べてみたら直ぐ上の句が出てきた。 猫好き漱石は周知の事。 ネコっかわいがり!という慣用表現があるだけに我が国の猫愛好家は多い。 我が家では子供らがそれぞれ好きなペット…

痰一斗糸瓜の水も間に合わず

言わずと知れた子規の代表句。 誇張をそうは感じさせない凄味が写生句を超えた命のおののきを感じさせる。 いま、午前3時半過ぎ。 この数日来喉が剃刀で切るような痛みから、就寝後明け方まで激しい咳と痰に悩ませられている。 声が出ないというザマである。…

・ 春風の山を吹き抜けあくる夜は 別れに手向く花ぞ咲きたり 新社会人の皆さんへ 巴琴 末男が4月入社に伴い社員寮への引っ越しをする。 この男は中学で登校拒否を起こした。 酷い教員集団と担任だった。 こんな所に入れたのは親の責任である。 上の兄が既に…

私達に目を背ける権利はない  ファルージャと日本

『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件 …そして』 渋谷UPLINK他上映 http://fallujah-movie.com/intro.html 当時人質となった3人のうち、高遠菜穂子さん、今井紀明さんお二人が登場する。 ブッシュというヤブから大統領のイラク侵攻に追随した小泉首相…

サヨナラJealousy

・ サヨナラJealousy 「サヨナラ」ダケガ人生ダ そうかな。 「コンニチハ」だけが人生さ 人生はどこまでも前に進む いくらサヨナラと言い続けても 日に新たに、日々に新たなり 日々是れ新たなり 日に日に新たなり まことに日は新たに 大雪が春の陽光に消えた…

雪の日

・ 昔、越後塩沢の鈴木牧之『北越雪譜』を読んだ事を思い出した。内容はあらかた忘れてしまっているが、雪国の博物学的書物で、その挿絵とともに江戸時代の雪国を不思議な思いで読んだ印象が残っている。 塩沢といえば今でこそコシヒカリの中心南魚沼郡で会…

真夏の太陽が川面をぎらつかせていた。その中を一隻のポンポン船が舟の家を曳いてゆっくり岸から離れていった。 「どこへ行くんやろ?」 貞子が涙声で言った。 『泥の河』ラストシーンである。 信雄の母貞子を取り上げた。 映画では藤田弓子が演じたが、原作…

やさしさというもの 2

「お米がいっぱい詰まっている米櫃に手ェ入れて温もっているときが、いちばんしあわせや。・・・うちのお母ちゃん、そない言うてたわ」 おんぼろのだるま船、「廓舟」で暮らす母と子・・・ 周囲に廓舟の子や、と嘲笑される娘の銀子と喜一。 生活苦から「淫売…

やさしさというもの 1

ドトールでバスや電車の待ち時間を過ごすくらいがささやかな私の楽しみであるが、喫茶店で読書する習慣は学生になった頃からで、普段文庫本新書本などをバックに持ち歩いている。 昨日、たまたま書棚から抜き出した本が、久しぶりというより大昔読んだ宮本輝…

冬の日五首

・ 冬の日 冬の日の空輝けりはるけくも 煙一条昇りてぞ消ゆ 新しき冬日満ちたるグラスにも 澄める記憶の沈みてぞあり 記憶には夜汽車の中の母の匂ひ 抱かれ眠る何処とは知らず 冬の夜の布団の中で触れし母 その冷えし足を温めんとし 冬の夜の銀河に聞こゆた…

阪神淡路大震災と名護・東京

記憶の風化というより劣化であろうか。 追悼の番組はある。 追悼はもちろん欠かせないのは当然だが、追悼とはこのような場合、広島平和記念公園内に設置されている慰霊碑に刻まれた言葉 安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから を想起すべきである。 …