もう13年も過ぎたのか…
私は被災者ではないが、友人や家族が暮らしていた。
シュラフと食料を担いで仙台のまだ停電していたホテルに止まり、ホッカイロを身体中に貼り付けて寝た。
両親の住んでいた所はかろうじて津波から外れていた。弟家族も無事だった。当座の食料と現金を渡した。
友人は一人津波に飲まれた。真面目で勤勉、やさしい男だった。他にも浜の町に暮らしていた知人たちが何人もいたが、浜沿いの家々はことごとく壊滅していた。
そして街中、浜沿いも自衛隊車両と白い防護服に身を包んだ隊員たち。何もかもが異様な「日常」があった。
しかし、更に異常な日常が押し寄せてきた。
復興である。利権復興が大手を振って東北沿岸に押し寄せてきた。有無を言わせずに高い
防潮堤や高速道路を造り記念館などとふざけ切った施設を造り、一方では避難者たちへの保護など片手間であり、やがて放置した。
「個体の脆弱性に起因する」
自殺者への被告東電の言葉である。
樹の下で首を吊ったお婆さんや、大勢の自殺者への東電の、これが本音であろう。尤も日本及び日本人は冷酷な連中がうじゃうじゃいる。自殺という言葉は自殺者の意思を表すのだが、その最期の意思さえ誤魔化し「自死」とマスコミ共は言い換えていた。権力というものはまことに用意周到である。そんなマスコミがフクイチ崩壊の責任の一翼を担っているのは当然である。
「私達…東電に騙されたのよ…」避難者のお婆さんに旅行先の会津でたまたま話を聞いた。素朴である。尤も東北に限らず地方はマスメディアが情報を支配している。騙されたのも無理はない。要は騙すのがいつもの通り政府であり日経連など利権団体だと言うことだが、フクイチはその極地であろう。
「プルトニウムは飲んでも安全」と騙しまくった男が東大にいる。東電からのご出世である。事故前原発反対の小出先生をヘラヘラ嘲笑した動画があった。勿論、アベの責任は極めて大きいし、東電幹部は絶対的責任がある。
しかし…ハリネズミのように原発列島化したこの国は…今年の正月の能登地震で珠洲原発阻止を続けた人たちに敬意を表するが、仮に珠洲原発ができていたら能登半島壊滅であり北陸壊滅だった。
悲惨過ぎて滑稽なほど欲ボケの日本人。
避難者を攻撃し侮辱する日本人。明日は我が身とさえ理解できずに。醜悪。「カネだ!カネもらえっと!」と原発反対者を嘲笑した日本人。思い出したよ。小出先生を討論会で侮辱した男は大橋弘忠現東大名誉教授。欲ボケ。
四国の原発再稼働を認めた裁判官たち。同類。一切責任を取らぬのは全く同じ。
地震や津波、火山の破局噴火は天災であるが、この国では更に人災が山のようにある。防災対策など役所の机上の空論である。
話があちこち飛んだが、今日の3.11も日本の将来を示す。マスメディアもこぞってあたかも不幸な、そして美談を喧伝するが、広島長崎と同じ。
そして、これは問題のたった一つに過ぎない。全て山のようにある危機的問題は全てリンクしている。
人災列島或いは腐敗列島と呼ぶ。