pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

第24句会

・ 地元の句会も早いものでもう24回。2年よく続いたものだ。途中宗匠に止めようかと言われたりしたが熱心な会員さんがいるし、何より地域でこのような楽しみを得る機会はそうはない。この句会の他と違う特徴は宗匠ご自身に全く尊大さがないこと、句会を縛ろ…

正岡子規の差別意識

・**************************『えた村は うき世の外の 春富て』https://blog.goo.ne.jp/ttutokyo/e/04262bba44f59b9c5bee71d93d3804e9「 江戸時代、士農工商の下に被差別部落をおく身分制度があったことはよく知られているが、明…

死にたい?岡井隆と原発と現代 再掲改稿

質問 a.短歌は詩なのか? b.短歌と俳句の違いは何か?(音数以外) c.「ライトバース」・ニューウェーヴ短歌とは何か? d.前衛短歌とは何か? 1,亡ぶなら核のもとにてわれ死なむ人智はそこに暗くこごれば (一九八三年) 2、白鳥のねむれる沼を抱きながら夜も…

穂村弘君を肴にして。

・ 1月に実施した「和歌講義」をまたやれというので明後日行います。その中でも特に強い講義希望をもっていらした女性が先週全治3か月の足骨折を負いながら友人の車で参加するというのを聞き、逃げるわけにはいきません。今回の参加希望もほぼ前回と同じくら…

帰郷

・ わずか一泊のとんぼ返りの帰省だった。直行便の高速バスで便利にはなったが、途中、常磐道の例の放射線管理区域をぶち抜いて走る。まぁバスの窓を開けることは無いが気持ちいいものではない。 午後2時半過ぎに到着。すぐ花と線香を求めて菩提寺へ。寺は…

7才の記憶と廃墟について

7才の記憶と廃墟について 今はただ崩れ墜ちよと東海の 冥き瞑目の黄昏の底 それが大袈裟なものでなく ヒトが去ってしまった家 主を失った犬小屋 用を終えた巣 蜘蛛の巣も ただの巣なら 美しい廃墟だ 熱い風 真夏の炎天に焼かれて燃え上がる廃墟 モノトーン…

オルフェの歌 短歌

・ Nevermore 夢のまたゆめ夢のゆめ 見果てぬ夢のゆめのごとくに 長崎の坂の小路の卒塔婆に 花たゆるなく蝉しぐれふる 長崎と五島をめぐる旅すがら 寄せ来る波もいのちとぞ見ん オルフェの歌かすかに聞こゆ木立より グレイに沈む奥武蔵の里 月も日も蘇る宵と…

われ反抗す、ゆえにわれらあり カミュ『ペスト』12

・ 日本の現代小説は会話文がやたら多い。それは出版屋が読者への配慮として作家に地の文を少なくし会話を多く入れろというご指導の賜物で、読者としては感謝すべきである。さらにセンテンスもできるだけ短くせよという。おかげさまでなんら思考を要せずに読…

カミュ『ペスト』11寄り添う事

・ P344 彼(タル―)が相変わらず彼女の姿を見つめているのをリウー夫人は見ることができた。彼女は彼の方へ身をかがめ、長枕を直してやり、それから身を起こしながら、ぬれてもつれた髪の毛の上にちょっとその手を置いた。するとそのとき、彼女の耳に、遠く…

カミュ『ペスト』10  共感

304「人間のあらゆる不幸は、彼らが明瞭な言葉を話さないところから来るのだということを、僕は悟った」 タル― 明瞭な言葉、すなわち明瞭な思考であるが、この点は日本人は困難であろう。「空気を読め」というばかばかしさの溢れた国である。結果として自分…

カミュ『ペスト』9心の平和 恥ずかしからぬ死

・ P302「われわれはみんなペストの中にいるのだと。今後はもうペスト患者にならないように、なすべきことをなさねばならぬのだ。それだけがただ一つ心の平和を、あるいはそれがえられなければ恥ずかしからぬ死を、期待させてくれるものなのだ」 心の平和と…