pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

2023-01-01から1年間の記事一覧

短歌

・ 年の瀬も蕾で耐へて沈丁花 春を包みて夢に居りぬか 花手水のまねをせむ 蓮鉢に浮かぶ山茶花白き花びら 花々を眺め過ぎたり ひととせも想ひ辛しや大地は歪む 無辜の子のまたその親の悲泣かな 蛮人の歴史止むこともなく 冀ふはやさしき春の慶びや聞こゆる花…

たんぽぽ句会23回 12月15日(金)

・ 記憶力補い合うてひなたぼこ 淡雪 今日もまた出来た事あり暦買う 淡雪 顔振の天望のぞむ冬の富士 夏生 今わかる父の優しさ冬野菜 夏生 正月の父の手作り器かな 夏生 雲間より遠く富士の嶺ピザランチ 陽清 福みかんたわむ古木やとある家 陽清 念願の佳き日…

堀辰雄を語る会

・ 追分宿分去れ道標 講師 大石紗都子武蔵野美術大学准教授演題 「時代と空間を超える堀辰雄の”メルヘン”『羽ばたき』を中心に」令和5年11月26日(日)午後1時30分~3時 於 軽井沢町追分公民館以下レジュメより抜粋はじめに 堀辰雄をとりまくイメージ (1)…

たんぽぽ句会22回 11月17日

・ ラーメンを半分っこしよ柿落葉 淡雪ノラの冬メスネコたずね寝そべけり 夏生ほうちょうでたたいて割りぬ花梨の実 夏生綿虫や帰路の坂道息荒く 陽清小春空古民家までと歩を延ばす 陽清故郷の山冠雪といふ便り 陽清秋雨の窓打つ夕べ朱ひとつ 巴琴長き道歩き…

たんぽぽ句会21回 10月20日

・ いがぐりや寄り添いて今金婚寿 淡雪 彼岸花遠くをとんび回りけり 夏生 ススキ映え賢治の風の聞こえくる 夏生 どの墓も花飾られし彼岸かな 夏生 摘み来たる千草の花を仏前に 陽清 コスモスの咲かぬ異常の気象かな 陽清 街路樹の根元を染めし彼岸花 陽清 悲…

大切な若い人への手紙

「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる……」 『焼肉ドラゴン』『高度経済成長期の真っ只中、万国博覧会が開催された1970年。関西の地方都市の一角で、小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む龍吉(キム・サンホ)と妻・英順(イ・ジョンウン)は、…

秋日

・ 先日の深更のこと。ふと目が覚めた耳にざあざあと雨の音が聞こえてきた。雨も良いなとぼんやり聞いていたのだが、目覚めついでにトイレに立ち、戻りしなカーテンを開けると満天の星が瞬いていた。雨音と聞いたのは勘違いで庭や公園の葉ずれの音だった。 …

ふしぎふしぎ

・ 子どもの頃4・5歳ころだったか、大阪の安治川河口の町に住んでいた時だ。母と銭湯の帰り道で懐中電灯を星空に向けて照らそうとしたら明るくならない。不思議だった記憶が残っている。 小学生の時には体積を求めるに、縦×横×高さなのだが、縦×横は面積だ…

たんぽぽ句会20回 9月15日(金)

・ 白萩や小さき黄蝶今年も来 淡雪 栗ご飯今宵はお粥卒業日 淡雪 帽子編む母の姿の手の形 夏生 神無月父の後背目に残り 夏生 この味が「いいねいいね」と栗十個 夏生 体調の日々に快復百日紅 陽清 他愛なき朝の会話や秋澄めり 陽清 マスカット一房なれど仏壇…

たんぽぽ句会19回 8月18日

・ 駅へ行く近道日傘傾けて 陽清 八月や今日は朔日おこわの日 陽清 墓詣子等に託すや我が齢 陽清 夏空や猿と会へたり吾野宿 夏生 淡き色オクラ畑の風の道 夏生 日替りのセミの読経けふは映え 夏生 小窓より虫の音ほそき雨あがり 淡雪 入院を『じゃあね』と見…

短歌ー原爆忌ー

・ 走る影きゆる声なる残る影すべての影の原爆忌いま 青空に蓮の花向くひまわりも今も忘れじ面影の道 かなしみは命のふるへよろこびもすべて残していのち消ゆる日 みな同じすべて消ゆべし我もまた束の間の風つかのまの日々 束の間の命なりけりならばとて今を…

たんぽぽ句会第18回

・ 炎天の卵抱く鳩静かなり 淡雪 木漏れ日を受けし夫の背曲がりおり 淡雪 夏は透くハンガリー舞曲佳境かな 夏生 夏の夢指揮者の踊るクラシック 夏生 梅雨明け黒きアゲハのあわてよう 夏生 雷走る遠くかすかに救急車 陽清 手入れよき畑の隅やカンナ燃ゆ 陽清 …

夏の思い出

・ もはや思い出の集積の上の私であり、今後の新しい経験の可能性は日々の暮らしの中が大半となる。 そんな中で「夏の思い出」というお題が少し書く意欲を刺激してくれた。意欲全般衰弱する近頃として有り難い。 夏は海山甲乙付けがたい。海の中から山を見る…

世界が引き裂かれる時 KLONDIKE

・https://unpfilm.com/sekaiga/1、原題:「KLONDIKE」の由来 監督・脚本:マリナ・エル・ゴルバチによる解説「ドンバスは、石炭採掘や鉄鋼など、ソビエト連邦後の宇宙で最も豊かな工業地帯であり、ロシアからヨーロッパへのガスが通る戦略的な場所であると同時…

ぼくたちの哲学教室ー全ての先生と保護者へ

http://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000683 今月末まで上映 ずっと気になっていた映画だが、学校という悪夢が先立ってなかなか足を運べなかった。昨日は早稲田松竹やイメージフォーラムの「世界が引き裂かれる時」を考えていたが、この「ぼく…

たんぽぽ句会第17回

・ 糸とんぼ川面に近く連なりて 淡雪 残されし桑の木一本実のあまた 淡雪 夏山の麓にまぶし山ガール 夏生 夏風や夫の音する台所 夏生 青梅の重なり浮くなり梅酒ビン 夏生 良きひと日昏れて六月誕生日 陽清 しばらくは歩を止め沙羅の花の下 陽清 万緑や山近か…

堀辰雄文学記念館野いばら講座

清泉寮の道 堀辰雄文学記念館野いばら講座 5月28日 「刎頸の交わりとしての堀辰雄と神西清」 岡本英敏先生 まず、刎頸の交わりという故事を文学的交流の仲に対し安易に使うべきではない。神西清が癌に侵されその死期に於いて尚、堀辰雄全集に尽力していたと…

たんぽぽ句会第16回

たんぽぽ句会第16回 2023,5,19 夫追いて電車は都内五月闇 淡雪 古きよりめぐる季節やカジカ笛 淡雪 命込め咲く花々の春うたげ 夏生 井の中の我にあらずや春の雲 夏生 一早く咲きしあじさいの純白 夏生 母の日や父母並ぶ古写真 陽清 ひた走る高速道や大夕焼 …

ある日のロビン

ある日のロビン また例のごとく、私は余りに良い春の陽気に誘われて、昼下がりにふらふらと散歩にでた。山の上にある団地内を散策するだけでゆうに一時間は楽しめる。家々の庭の花や公園の木々を見ながら、定年退職した私は健康上の意味に加え散歩する楽しみ…

免疫ってなに?

・ ある日の昼方のことである。 ランチを取りにカフェに入った。ホットドッグと珈琲である。辛子は多めにした。ホットドッグにはぺらぺらのベーコンがかぶさっている。食べようとしたらうっかりそのベーコンを落としてしまった。勿体ない・・・ということで…

愛について2本 のオマケ a i

愛について2本 のオマケ a i a i 誰がはじめに愛という言葉を見つけたのだ。 いや あ・・・い という言葉を。 a i だれが口に出したのだ この2つの母音を! おそらく最初のことばは ああ ではなかったか a a つぎに a i このはじまりの音をもったとき 人間は…

短歌2

はなよ舞へ命ふるへしさまのごと 風のごとくや花の白馬は まさきくや花にやすらふ日のもとに 春待つ梅の芽の動きつつ 春の花風に乗りてぞ我が宿に 夢のひととき舞ひ散らんかな 今はただ崩れ墜つべし東海の 冥き瞑目たそがれの底 ながらへばけふもアジ気はな…

短歌

*過去の自作のヘボ短歌を一部まとめました。記録用です。 2016-05-06五月の節句に 短歌 今はただ星の光に花落ちて 耳に残るはさざなみの音 さざなみの寄せては返す春の浜 黒き瞳のまぶしきを知る 夕暮れて道の標も知らざりき 幼き我の歩む影のみ 波の底きら…

たんぽぽ句会15回

・ トロミなきコーヒーふくむ藤のもと 淡雪 ひとり言応ふる人あり春の月 淡雪 筍やいまだ届かず母の味 夏生 カラカラとコーヒー豆挽く五月かな 夏生 春光の空を仰ぐやヨガレッスン 夏生 きのふよりけふの景なり山笑ふ 陽清 何処迄も広がる著莪や細き径 陽清 …

雷鳴と辻潤

・ 先日の夜の雷鳴は地を這うように響いてきたが、それは後に暴風を呼び起こした。 今春の桜の早咲きも梅の開花に合わせて例年なら入学式の頃に満開となる風物詩になるはずが、卒業式の頃満開となった。 早々と春の庭の木々や草花も大半は咲き終わって、スノ…

たんぽぽ句会14回

・団地内 背を伸ばし春野を共に一歩づつ 淡雪 母の雛今年も共にリビングに 淡雪 待ち合わす横浜駅や春の午後 陽清 飾られしロビーの雛に真向ひて 陽清 梅東風やパンダ見送る人の波 陽清 イヌフグリ地上の春の目覚めあり 夏生 白き鳥飛びたつすがたこぶしかな…

古井戸の中のガラパゴス(改)

・以下・・・内は 2019-09-25 に書いたものです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この表題はもちろん「美しい日本」の事である。『古井戸』は中国作家鄭義(チョン・イー)の代表作で「発見と冒険の中国文学」叢書の一冊として翻訳された…

お年寄り注意 www

勿論親切心から生まれた看板である。親切心も進化するとかくまで見るものを楽しませてくれるのである。そして私は実際、この道の真ん中をよたよたと手を振って歩いている、腰の曲がったお婆様を目撃したのであった。確かに怖い。ドライバーの方が恐れおのの…

たんぽぽ句会第十三回

・ 冬帽子帰路の重たきリュックかな 陽清 捗らぬ写真の整理春を待つ 陽清 手順良き料理番組春を待つ 陽清 白梅を背に写る夫空青き 淡雪 やうやうとあけぼの染めぬ街の屋根 夏生 電線の遊べる鳥たちラの音符 夏生 じっと待つ凍えるサギや入間川 夏生 リック越…

ばあ様と検温計と成田さん

・ ある日の市役所でのこと。 受付の番号掲示板に自分の番号が表示されるのを待っていたときのことです。 椅子に座ってぼんやりとしていると、私の少し離れた斜め前に検温計が立っているのですが、一人のばあ様がその前に立ちました。小さな丸顔のかわいいば…