2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧
以下、タル―の言葉P289「判事も気の毒だな」「なんとかしてやらなきゃなるまい、先生のために。だが、人を裁く人間を助けるなんて、どうすればいいんだい?」 タル―このタル―への返答はタル―自身のリウーへの長い告白の中に現れてくる。判事という「断罪者」…
・ P259「子どもたちが責めさいなまれるように作られたこんな世界を愛することなどは、死んでも肯んじません」 リウー 謹厳実直なオトン判事の小さな息子がペストに罹患し死んだ場面で発せられた言葉である。もちろん、すくなくとも日本ではこんなリウーの言…
・P248記者のランベールからの問いかけ。 「もう確かに僕はこの町の人間です、自分でそれを望もうと望むまいと。この事件はわれわれみんなに関係のある事なんです」「それにあなたがただって、それはよくご存じなんだ。さもなきゃ、なにをなさろうという…
・ P248 「しかし、自分一人が幸福になるということは、恥ずべきことかも知れないんです」 ランベール 4月16日から市民を襲い始めたペストは9月も猛威を振るっていたが、記者ランベールは市外への脱出ができないまま、医師リウーに付き添い精力的に働いてい…
P156「しかし、教師が二たす二は四になることを教えたからといって、別にお祝いをいわれはしない。お祝いをいわれることがあれば、それはおそらくそういうりっぱな職業を選んだということであろう。だからタル―やその他の人々が、どちらかといえばその逆より…
・ 人間の脳とは不完全そのものであり、それは悲劇の元でもある。 自分の判断は常に錯誤を含み、だからこそ社会的には合議制が基本となるが、錯誤の集合としての合議制は悲劇しか産まない。更に錯誤ではなく欲望の集合体となれば目も当てられない。 従って、…
・不条理というものは、世界のあらゆるところに存在する人間固有の本質でありすべてである。各人の出自(出生)から人生を生きるに伴うその無数の中での出会い、偶然と必然。属性。その最大のものは生死にかかわる不条理である。その病や争い。さらに外延と…
・ 以下カミュ『ペスト』昭和49年発行新潮文庫より。自分の読書メモです。何回かに分けて続けます。コメントは勿論ご随意に宜しくお願い致します。 高校以来久しぶりにカミュを読んだ。高校生と言っても幼い私にはぼんやりとしか掴めない作家だったが、今、…
・ いまさら安部夫妻の愚をあげつらっても仕方がないが、安部首相は無知蒙昧の恥を国益毀損してまで晒す。もちろんこの男は「国益」=「自分の権力」でしかないので、世界の嘲笑などロバの耳には入らぬ。自国民さえ己を支持するように仕向ければこの民主主義…
・ 花野にて我を待つらん那奈もがも 生くるべくして去りぬ汝を見ゆ 早いものだ。 2年前の今日。 この子も保護されて来た。 全く穏やかで争うことは一度もなく安らかな日々だった。 ・