pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

2018-01-01から1年間の記事一覧

今年の纏めの歌

・ 碌山美術館 安曇野のひまわり迎へる道の辺の常念岳の見おろす館 後ろ手に空を見上げし裸女ひとり碌山の夢永久のかたちと 白馬登山 はなよ舞へ命ふるへしさまのごと風のごとくや花の白馬は 求めきて花うるはしみ頂にましろき雲の湧きいづるかな 堀辰雄記念…

紅旗征戎吾ガ事二非ズ

・「世上乱逆追討雖満耳不注之 紅旗征戎非吾事」 藤原定家『明月記』 堀田善衛の『定家明月記私抄』からの引用だが、この本は畢竟この一文に尽きるし、この文を広めてくれた功績は大きい。 (訓読)世上乱逆追討耳ニ満ツト雖モ、之ヲ注セズ。紅旗征戎吾が事…

今日の短歌

・ ある人が「たちばな」をお詠みになったのでかへし 橘を守(も)る人ありとや聞こえなん 夢の玉藻も人も非時香果(ときじくのみ)橘伝説https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E4%B8%96%E3%81%AE%E5%9B%BD田道間守の項目をどうぞ。玉藻の前伝説http://www…

クリスマスの思い出

・ まだ昭和35年頃。場所は大阪港波止場。夜、欧州航路に乗船する父を見送りに行った。母は弟を背負っていた。私は手にサンタのお面の菓子袋を抱えていた。嬉しかったのだろう。鮮明に覚えている。 我が子を育てるようになるとそのプレゼントは行事となった…

歌会月次会

・ 題 時雨 時雨ふる里の守り人いかあらむ遠く去りての思ふ師走に (故郷は3・11の被災地です) 題 霜 里山に霜をく菊の風に耐へ道ゆくわれに頷きてあり (「をく」とは招来の意) 題 除夜明日をまつ除夜の神々松のゑの風の音にもこゑ請け侍る (一応「賀」…

和歌唱和

・ 乃東(なつかれくさ)に唱和いたします。 紫の匂へる衣を茎にたつ乃東の西行のゑみ 栃の紅姫に唱和いたします。 雪の野にいでたつ君の赤き頬もろ手包みてさすりてしがな (頂いたお歌は栃の紅姫という苺のもの) ・

短歌

あけぼのをまとひ降りくる夢を見ぬ秋終わりぬるも冬にみんとぞ 庭にゐて秋月之夜のかそけきに葉擦れの音かな声のするやう 雨上がる朝の光の紅葉の静かな秋の時も過ぎゆく 窓辺より流れ溢るる大銀杏眠れる母も染まりて居りし 聴こえしや銀河の音の囁く夜雨だ…

『やすらへ。花や。』

・ 萩岡良博著『やすらへ。花や。』を、私としては久しぶりに購入した。昔は関心があれば書籍は片端から求めていたが、年金暮らしとはこういうものだと実感する日々である。 さて、この書物の帯に「どこかで、だれか、呼ぶような。」という言葉が記されてい…

漢字能力検定協会とかいう利権団体が清水寺の貫主に書かせている、今年の世相を表す漢字だと。 今年じゃなくて毎年だろ?と突っ込みたくなるのだが、喉元過ぎればすぐ忘れる国民こそが「災」の元凶であるとは、漢検団体自体災いだが、清水寺貫主はそれくらい…

クロマティ高校

・ クロマティ高校・・・いや私の勤務していた高校のことではない。似たようなものだが・・・ 日本一のアホ高校「クロマティ高校』のギャグ漫画の名前である。 お気に入りさんの日記に「フレディ・マーキュリー」のお話が出てて、つい思い出してしまった。そ…

「法案に賛成する者は2度と『保守』と名乗るな!『保身』だ!経団連の下請け」

東洋経済オンライン「普通の日本人が知らない「貧困」の深刻な実態親→子→孫へと連鎖し、高齢者にも広がる」https://toyokeizai.net/articles/-/221708?page=4以上の記事だけでも日本人の貧困の実態がわかる。入管法改正案についての採決時の山本太郎議員の発言…

秘花 七首

甕にさす白百合の花一輪の月影蒼くそは映ゑゆけり 白甕の肌に触るるは白百合の風に頷く冬月の影 あまき水したたりおつる花の奥甕に沈みぬ音も知らぬに 白甕の円き素肌のひんやりと花の熱きも湛えてありなむ きよらけく咲ける白百合その花の香満ちぬる冬月の…

夢の続きにオルティガ・カバジュナ・ブランカ

www.youtube.com 瞳の奥の断層・・・ 夢の続きにオルティガ・カバジュナ・ブランカ (アントニオ・バントーハの「光のひとみ」によせて。以下の語句の殆どが曲名を使用しています)・きらめく波濤の遥かかなたトパーズのなかの灰色の瞳の黒髪流れるサンティ…

書は言を盡さず,言は意を盡さず 改稿

・周易繋辭上傳に有り書は言を盡さず,言は意を盡さずと。書物は言葉を十全に満たすものではなく言葉もまた意を十全に満たすものではないと。むかし霧に包まれた林の中にカッコウの声を聴いた詩人がいた。詩人はそのカッコウの声の響きに深い人間存在の孤独…

夢の絵3

・ {子殺しのさきはふ国のまなこらは闇に隠れぬ冬ごもりおり} 夢を見たかいこの世には裏も表もあるそうだが本当かい在るのは実は夢だけだ真実の夢さ 壁の中に消えたわがともがらよ浴槽の中で手首を切りあるいは炎熱の東北の古道の草叢に斃れ死屍は野積の吹…

夢の絵2

2 堅物の漱石が第一夜のことだが女の夢を見た横たわる女は長い睫の間から涙を落として死んだ「百年待っていて下さい」 夢は反転し涙で実在と仮象がするりと入れ替わった漱石の女は眞白な百合の花となり百年後に月の上で邂逅を果たしたのだった 在るのは実は…

夢の絵1 夢を見たかいこの世には裏も表もあるそうだが本当かい在るのは実は夢だけだ 夜汽車の重い車輪の響きと汽笛の闇を覚えているか郷愁とともに思い出したらそれは夢だ思い出とはすべて夢なのだから つるりと塗装された木の座席の背もたれ車内灯の橙色が…

夢で逢いましょう

・ 夢で逢いましょう なんていうのが昔あったなたまにひょっこり記憶の闇から顔を出してくる ゆ~~めで あいましょ~~~う♪ こんな感じだったか 忘れているはずの記憶のやみから音符つきで・・・嘘です・・・俺は・・・ 告白! 小学4年時音楽の授業で紙の…

泥中の蓮

・ 泥中の蓮とは「泥中の蓮とは、汚れた環境の中にいても、それに染まらず清く正しく生きるさまのたとえ。」と辞典に述べられて、その通り流布されているのだが、最近気づいたのは「泥」は不浄ではないということである。 我が家の径1メートルほどの蓮を活け…

無題の恋歌

・ わかる という言葉をあなたにだけは感じる 誤解だらけの人生の中で あなたは言葉こそ少ないが 俺のつまらぬ人生の座興につきあい 笑うあなたの顔 いや、あなたの笑顔を そのあふれるあなたの笑顔の美しさを 見たくてな おバカを散々やってみた 季節はもう…

枇杷の花の匂ふ 斎藤茂吉

・ 枇杷の花冬木のなかににほへるを この世のものと今こそは見め 斎藤茂吉 狭い我が家の庭も剪定や落ち葉拾いなどと仕事を呉れる。 実はそんな仕事は無心となるので好みでもある。 今日は枇杷の花のかすかな匂いをもらった。何とも言えない優しい甘さ。極上…

北温泉の思い出

・ この温泉宿は近年旅雑誌やマスコミに露出すること多くなって秘湯好きには有名かもしれない。昔、漫画家のつげ義春が絵に残したところだ。 山の上の駐車場から細道を下って20分ほど、那須の峡谷にポツンとある。明治の3階建ての古色蒼然、堂々たる湯治場で…

雨にぬれし朝

・ 雨にぬれし朝輝きぬ 花水木の紅葉の先より水玉の雫落ち池に波紋が広がるやうに鈍色の今朝も静かに始まりぬ 何事も過ぎ去り何事も迎え来たる新しき鈍色の朝 雨の匂い立つ朝土の上に枯れ葉の上に優しき記憶の上に 喪われし記憶の上に生まれなん記憶の上に …

晩秋の雨の佳き日の昼寝かな

・ 『平安の春』角田文衛 講談社学術文庫 再読。 その中の記述で、一つ気になった点がある。 治承四年十一月一〇日(一一八〇)源野頼朝が武蔵国丸子庄を平清重に与え、彼の鎌倉の屋敷に泊まった時の話がある。清重は妻を寝所に差し出したというが、この件で…

G・ガルシア・マルケス(改)とカタルーニャ問題

久しぶりにマルケスの作品を思い出しました。以下、1は4年前に書いた文章です。2~3はそれ以降。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1ガブリエ・ホセ・ガルシア=マルケスは今年4月17日に亡くなった。http://www.all-nationz.com/arc…

秋の講演ー堀辰雄にみる「あこがれ」の構図

・20日(土)午後から生憎の雨。嬬恋のペンション泊21日(日)快晴 AM10時近くオーナーにバス停のある浅間牧場まで送ってもらう。バスが来るまでの間、近くの丘を散歩する。浅間山が薄っすらと初冠雪。信州の山並みが全視界に広がる。紅葉。 バスに乗り白糸…

短歌愚痴

私自身、短歌や俳句などいわゆる文芸創作を始めたのが8年前くらいの初心者ですから、偉そうな事は言えませんし、偉そうな能力もありません。 しかし、そんな私でさえ近年の文芸については殆ど諦めて居ます。出版社の愚かさ--目先の利益至上主義ーーが如実に…

短歌

・ もの思ふ心も知らず流れゆく早水に浮かぶうたかたの夢 雨やみのしじまの夜のもの思ふこころも凪て有明の月 空蝉の濡れそぼつらん秋霖の昏き夜道ぞ思ひ捨つべきや 雨やみて霧に沈みぬ林にはかっこうの声とほく響きぬ 月も日も蘇る宵と思ふべし面影浮かぶ渦…

10年 M子の朝のおくりに

・ 秋が流れる川のごとく雲のごとく光のごとくすべて流れ流れ鉛のごとく羽毛のごとく枯れ葉のごとく 何も知らないのではない何も感じないのではない ただあなたは涙を流し尽くしそして言葉を失った頑丈な鉄格子の窓の外から闇が侵入しあなたから言葉を奪った…

遠い世界に

・ 小雨ふる道に消えゆく影さへも 懐かしからむ待つ宵ののち ちょうど1年前の短歌です。今日は台風一過の秋晴れならぬ真夏の気温。午前中早めに出発。山も川も豪雨だったため歩くのは難しいので国道沿いに歩きました。 「同じ秋でも、もう曼珠沙華は花を落と…