夢 二 月いづること その眩暈のような天道の指し示す一瞬に二上山が確かに震えたのを僕は見た。かすかに震えたのである。その山と天との昏い境に大きな弦月が静かに顕れてきたのであった。弦月は張りつめた弦の、刃のように濡れた熱い線で、すべての波長の光…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。