pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

「寂しさの歌」とゲバラとオバマ

 

 





チェ・ゲバラが日本に来た時
外務省も碌に相手をしなかったそうだ。
そりゃそうだ。
アメリカの犬を自任していたからな。


        上をむいて出世しよう。

ゲバラはそんな外務省だったからこそ
「予定外」の広島訪問ができた。
始めから広島訪問を予定していたら必ず拒否されたはずだ。


「日本国民・広島市民はなぜアメリカの原爆投下責任を問わないんだ」
「これからは広島をそして広島の人びとを愛していこう。」


素朴なゲバラの疑問と誠実は夜の闇に消えた。
マスコミはもちろん黙殺したのである。

素朴な疑問はこの国では言ってはいけない。
粗暴な無知な恥知らずな強欲と騙しの言辞は祝福されるが。

素朴とは至上の美である。
しかし
素朴とはこの国では「馬鹿」なのである。

         馬とは鹿である。

つまり、馬であり鹿であり、朝三暮四のサルどもが本来の「バカ」なのだから、素朴は一向に恥じる必要はない。

また素朴とはこの国では従順であってこそ許される美徳である。


「貴様らの命は貰った!」と学徒兵出陣式で
明治神宮で首相が絶叫した国。
従順になるべく強制された国。

         今も変わらぬ国。

        誰に?
そう
「世間」に。
だからずる賢く上目遣いで右顧左眄が美徳の幸いなる国
うこさべん、と読む。
うんこしょうべんと読んではいけない。


        いま、
    原発の猛威のまえで立ち尽くす。
        だれが?

        いま、
    九州大地震の前に立ち尽くす。
        だれが?



もはや想像力を喪失した群れは東北大震災と同じく「復興」を騒ぎたてている。
熊本の地震は想定してなかった?
ほざいてろ。

またあの気色悪い名曲「花は咲く」を垂れ流すのだろうか。
気色悪いと書いた。
そう、政治や国民の欺瞞がなければ良い曲だ。

子供らは内部被ばく・外部被ばく。

        ん?うちの子じゃないよ。

あの日からもう5年以上過ぎた。

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夜の闇はさらに深く
夜の寂しさは計り知れず
さらに一人で耐える夜の寂しさは

「しかし、もうどうでもいい。僕にとって、そんな寂しさなんか、今はなんでもない。」

「そのことだけなのだ。」
「僕、僕がいま、ほんたうに寂しがっている寂しさは
この零落の方向とは反対に、ひとりふみとゞまって、寂しさの根元をがつきとつきとめようとして、世界といっしょに歩いてゐるたった一人の意欲も僕のまわりに感じられない、そのことだ。そのことだけなのだ。 」

    『落下傘』より 金子光晴(昭和20・5・5)


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 今も、闇の中で忘れられた詩人金子光晴が墓の裏から呟く。

    今、闇を破いた月が煌々と墓を照らす。

    見渡せばあたり一面の精神の墓標。




オバマさん、どうぞ広島に来て、ようく人類の狂気を、アメリカや日本の狂気を見詰めてください。



Che Guevara visit Hiroshima 1959年 ゲバラ来日秘話
http://www.youtube.com/watch?v=13ttgkR3gCU
このビデオは消されましたので、写真のみですが、以下ご覧ください。
http://yaplog.jp/cuba/archive/129



金子光晴『落下傘』長詩です。

http://www.haizara.net/~shimirin/on/akiko_03/poem_..