「さあ、これを」と私は娘のようなかわいい祇王に扇一枚を渡しました。武者方も遠慮するなとばかりに彼女らの手に握らせたものがありました。祇王たちがきょとんと手のひらに置かれた丸いものに見入っていると兼綱様がおっしゃる。 「そうか見たことはなかっ…
・ 羅城門を無事過ぎて、そんな話の途中のこと。 遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動(ゆる)がるれ この歌は・・・いやこれは今様の歌、いま都で流行りの今様・・・私は、その美しい、清水のような若やい…
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