木曜日の月例句会。参加者5名。見学1名。男性の宗匠は入院中で、もう一人の男性は欠席。何せ60代は女性1人で他全員70代。見学者は80代の女性。男性は宗匠と元教授と私の3人。従って圧倒的に女性優位の句会である。従って平和。男というのは基本的に愚かな種族であって増えると自己主張のオスと化す。
?
自己主張の権化はお前だろう?
そう、自己主張を始めたらそうそうは右に出る者はいない。また自分を棚に上げるのも得意である。が、オス化の破廉恥は絶対にしない。
句会やら歌会やらそんな文化の粋に触れる機会でオス化するのは勘弁である。当句会は幸い宗匠始め元教授も私も平和主義なのである。和やかさと楽しさをモットーとする。句会創立当初は宗匠(句歴60年)主導で句会の形式は他の句会同様に採点講評をやっていたが、途中から参加した女性が点数序列は嫌だと主張した。宗匠も私も一瞬呆気にとられたが、なるほど納得する主張であった。
「点数化したら私の句なんか最下位に決まってる」
そうだよね。
なぜ句会や歌会でそんなしきたりでやってきたかと言えば平安まで遡る歴史があるのだが、その動機は遊びなのである。愉しみとして参加者が優劣を競ってきた。切磋琢磨するにも有効であった。
しかし、その御婦人の話に私は虚を突かれたのである。
点数化など翻って見れば学校と同じ愚なのだ。優劣を競って何の意味がある。最高点から最低点まで目の前で晒されたらどう感じるのか。
宗匠も異議を唱えることは無かった。私も当然彼女の意見を支持して、以降はそれぞれの提出した作品を皆で感想を言い合う場となった。勿論、句の出来不出来の指摘、ここは直した方が良いとかの言い合いも常にある。しかし基本はその句の斟酌玩味の場となり、和気藹々、一層平和な句会となったのである。「司会」が私に固定されたので私の性格上バカな冗談も間抜けな指摘もてんこ盛りであるが、皆さんニコニコと対応して下さるのが嬉しい。そして件の女性の句作もどんどん向上していった。
さて、前置きが長くなったが今回は私の提出句に変った趣向を添えさせて頂いた。この趣味人の俳句界で活躍なさっているありごさんの詠まれた句に私が返句したものを提出した。
点を付けて遊ぶのは止めたが、やはり何らかの愉しみ方がある、その具体的例であり、またネット利用としての愉しみ方であろう。
ありごさんにはご容赦頂いての提出。
御句 かなしみをくぐりくぐりて女郎花
返句 男郎花砂漠に咲く夢枯れる夢
「かなしみ」という感情語をそのまま入れるのはいいのかな?
そうですね、俳句として大変難しい表現になりますね。普通は避けないとならないですね。
でも、「くぐりくぐりて」に胸打たれますよ。長い年月を重ねて来られた実感が、その「かなしみ」が「女郎花」に収斂されて凄く共感できます。
皆さん、このような俳句の楽しみ方に納得して頂きました。
実はこのニ句、
1)
もし私が現役だったなら授業課題として即利用。
「それぞれの句の世界、背景を想像し、原稿用紙二枚以上で書け」
2)次の句会でこれを実施。ペアでやってもらう。
なんて考えています。こんな事をあれこれ考えるのも実は愉しいのです^_^
私の提出ニ句目
月かげに寝言の猫あり虫の声
え?猫が寝言いうの!
どんな寝言?
はい、ムニュムニュムニュムニュ〜
猫はどんな夢を見るのでしょう。
笑いで無事終了。