邦題の歌詞を見れば、ああ、あの歌かと気づく方も多いでしょう。原詩では『長い道を』となるそうです。語学のダメな、いや語学もダメな私ですので翻訳を頼りに危ない理解をしています。
さて、その『長い道を』はロマ(ジプシー)系の雰囲気を漂わせた名曲なのですが、その歌詞をネットから下に引用します。
https://www.worldfolksong.com/songbook/russia/long-road.htm
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1
鈴の音と共にトロイカで走りゆく
遠くには灯火がまたたく
ああ、君らの後を追って行けたら
心の憂さも吹き払らえるのに!
<コーラス>
長い道をゆく 月明かりの中
遠く響きわたる歌と共に
夜ごと私を苦しめた七弦ギターと共に
2
いたずらに我々は歌い
むだに夜ごと遊びに熱くなった
昔の事を断ち切れたら
こんな夜も消えうせただろうに!
<コーラス>
3
はるか遠くの故郷
新たな道をゆく運命
トロイカと鈴の音も
今はもう遠い昔!
<コーラス>
これらの歌詞は、いったい何を暗に意味しているのだろうか?何のことを遠回しに表現しているのだろうか?
『長い道を』が作曲されたのがロシア革命後まもなくであること、その後の共産党政府から発禁処分を受けていること、歌詞にある「遠い故郷」「新しい道」「七弦ギター」などの単語から考えれば、この曲は、ロシア革命によって祖国を追われた亡命者の心境を暗示した作品だったのではないだろうか?
実際、ジプシー歌謡『長い道を』は発禁処分になったのちも、ロシアから海外へ亡命したロシア人たちの愛唱歌となり、望郷の思いを胸に多くの亡命ロシア人によって歌い継がれていったという。
亡命ロシア人が異国の地で思いをはせる、遠い祖国への「長い道」。散り散りになってしまった友人・知人らは元気だろうか?いつか故郷へ帰る日が来るのだろうか?激動の歴史の波に翻弄されたロシア人たちの心の叫びが聞こえてくるようではないか。
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この詩は私には難解です。
第1連 「君らの後」とはなにか。
コーラス「夜ごと私を苦しめた七弦ギター」とは?
第2連
「昔の事を断ち切れたら
こんな夜も消えうせただろうに!」と思う
のはなぜか。
むかし、根性のひん曲がった谷川俊太郎氏が「歌詞は間抜けなんだよ」と生徒たちにご教示垂れてましたが、同様にこの歌詞も間抜けなのか・・・私には素晴らしく詩的に思えます。歌詞は曲と一体で切り離せないのです。とは言いながら上記の1、2、連の問題をあれこれ想像しながら、様々なバージョンを愉しんでいたら眠くなったので駄文終了・・・
動画
画面上の訳詞は上のものとは若干違いますが意味的には同じでしょう。
しかしYouTube、CMを否応なく・・・