pakin’s blog

主に創作を主体とします。ただし、人権無視の最たる原発問題や、子どもの健康や命を軽んじる時事問題には反応します。

『みちのく いとしい 仏たち』夢と夢の狭間



一昨日2月11日に東京ステーションギャラリーの掲題の展覧会を観て来ました。12日終了なので慌てて行きました。
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html

東北地方に於ける隠れキリシタンの姿に以前より関心を持っていましたが、同時に「山川草木悉皆成仏」を具現した「草木塚」の存在が山形にあることを知ってから、信仰という姿に関心を抱き続けているのです。おそらく東北にはキリシタン弾圧を最小限に抑えた藩政や庶民が存在したのです。草木にも祈りを捧げる優しさ・・・
そして今回の「民間仏」の姿・・・言いようもなくその優しい微笑に引付けられます。プロの仏師が作る寺院の立派な仏像の対極に存在する民間仏は素朴に自由に造形されたのでした。

北国は年の半分近くは雪と寒さとの闘いで、近世近代は過酷な飢饉が繰り返し起き、加えて重税に苦しみながら、生まれた子を間引きし、育った娘を女衒に売り払うような事が多く起きていました。そんな暮らしの中ではぐくまれた、草木にも祈りを捧げる優しさとは。

そんな優しさが形となって眼前でほほ笑んでくれるのでした。

*******カタログ見開きの詩*******

はじめてお目にかかります
でも夢ではきっと会ってます
おばあちゃんが言ったはず
村にはほとけさまがいるんだよ
だまって何でもうんうんと
聞いてくれるほとけさま
まるいお顔に小さな目
思い出したでしょう
くやしくて眠れなかった夜
自分がいやになった夜
泣けばいいよと言ったのは
わたしたち
これからもずっとあなたの
そばにいて
ふふふと笑って見ています

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解説 須藤弘敏
1章 ホトケとカミ
2章 山と村のカミ
3章 笑みをたたえる
4章 いのりのかたち 宝積寺六観音
5章 ブイブイ言わせる
6章 やさしくしかって
7章 大工 右衛門四良
8章 かわいくてかなしくて

紹介された仏像すべてに秀逸な「解説」が付与されて読み物としても楽しく読めます。

会場を廻って気づきました。観覧者みなさんがやさしい顔になっているのを。

私も生きてきて良かったと思えた時間空間でした。
こんな出会いが生きていればあるのだと。


解説及び沢山の図像はカタログをご覧ください。ご希望の方には電話で購入できるそうです。秀逸なカタログです。


写真 
左 まあ閻魔様ですが・・・
中 菩薩坐像・・・「これでいいのだ」像の代表だそうです^^
右 岩手県八幡平市某社周辺

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