マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」
横浜みなとみらいホール
https://www.njp.or.jp/concerts/4206
昨日、息子の招待で行ってきた。いささか遠いが直通でみなとみらい駅に行けるし、港は好きなのである。花冷えの気候だったが海を間近に花見客がシートを広げて楽しんでいた。
マーラーを演目とすると満席になるというのは本当らしいが、実際に素晴らしい曲であり、新日本フィルはまた素晴らしい交響楽団になった。
曲はまるでイヴァン・アイヴァゾフスキーの「第九の怒涛」を髣髴とさせる展開である。
嵐の海原・・・巨大な波が荒れ狂う海だが一瞬の静謐な時間と波を透き通る太陽の光が美しい。儚い人間の抵抗。
苦悩と絶望、安らぎと祈り、高揚と沈鬱、あらゆる色彩が明滅しまた沈黙と叫びが交差しながら至福の最終章に光として導く壮大な名曲である。
翻弄され続け死ぬしかない生。
マーラーは最後に再生を描いた。復活をイメージするのが普通だが、私は「再生」と感じたい。
その劇的で輝かしい光は人間を照らし出すだろうか。
いや、光は内に灯すしかない。
指揮者 上岡敏之
ソプラノ 森谷真上理
メゾ・ソプラノ カトリン・ゲーリング
合唱 栗友会合唱団
合唱指揮 栗山文昭
指揮者上岡敏之さんは倒れないか心配するほどの指揮ぶりだった。
万雷の拍手鳴りやまずだったが、アンコールなし。指揮者の疲労もあるが、当然であろう。この大曲のあとに相応しいアンコール曲は思い浮かばないから。
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先刻、汚泥池に「新元号」。やはり光は内に灯すしかない。