指揮者 吉田裕史の挑戦。ウクライナオデーサ歌劇場、魂の音楽を日本に 吉田裕史
https://readyfor.jp/projects/odesa
昔、スロバキア交響楽団の公演を聴いた事がある。素晴らしい熱演だった。そしてその時知ったのだが、かの国では年間三千円で1年中コンサートが聴けるのだとか。彼我の差に驚いた。それほどにコンサートは彼らの身近に、暮らしの中に活きているのだった。歴史に翻弄され続け、小国であるスロバキアの文化の一端を感じた思いだった。
今回、オデーサ歌劇場のコンサートがクラウドファンディングが成功すれば来日公演が可能となる。
「演奏が終わった後、兵士が2〜3人近付いて来て、「私たちは明日戦場に戻ります。 最後に素晴らしい音楽を聴けて、本当によかった」と言葉をかけてくれました。「子供や孫たちには、平和に暮らし、音楽を楽しめるようにしてやりたい。だから自分たちは戦場で頑張ります」と。 私はその瞬間に、オデーサに来て本当によかったと確信しました」
そう吉田指揮者は伝えている。この部分においては私は日本映画の「月光の夏」を思い出した。特攻兵が出撃前に小学校で「月光」を弾くのである。実話という。
https://moviewalker.jp/mv27532/
ウクライナは蛮人プーチンに喘いでいる。いや、プーチン以前から悲惨な弾圧に喘いでいる。しかし、コサックの強靭な精神風土を持つのはショーロホフのノーベル賞作品『静かなるドン』に明らかである。そしていまの戦時下、オデーサ歌劇場も含めて演奏活動が止むこと無く続けられている事実は上記の吉田氏の記事でも伺える。
吉田裕史氏の情熱が歌劇場フルオーケストラの情熱と共にどんな演奏が聴けるか、大いに楽しみである。