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朗読と楽琵琶演奏による西域幻想の物語
27日(日)14時30分開演16時30分終演
武蔵ホール
朗読 櫛部妙有
楽琵琶 塩高和之
演奏 『啄木』
『虹の唄』
日曜日は大変すばらしいご公演を経験させていただき、深くお礼申し上げます。
私は琵琶演奏をお聴きするのは初めてですが、塩高和之様の琵琶演奏『秘曲ー啄木』はまさに平安の人々の祈りを感じさせていただきました。秘曲とされた『啄木』を聴けるとは・・・譜面のコピーもお見せいただきました。音が波動となりその波に包まれて、仏教の、まるで宇宙の深遠なる声を聴かせて頂いたように感じました。これほど心が緊張しまた溶解していく経験は初めてです。
櫛部様のお声は柔らかくかつ透き通るような響きで魅了されました。とても美しい朗読で二つの作品世界が生き生きと見事に立ち現れました。言葉を声にだす。それは人間にとって最も古い尊い行いでしょう。古人が言葉をいかに大事にしてきたかは論を俟ちませんが、実際にそのことを実感できた嬉しい時間でした。言葉とは声とは命であるということを実感として了解させていただきました。黙読では絶対に得られない感動がありました。
スポットライトの中でお二人の演奏や朗読が純粋にそれだけで行われたこと、私には贅沢な時間でした。心から感謝申し上げます。